作品を送り出す日2026.1.14(水曜日)
本日は、
完全オーダーのバッグを
お渡しした日でした。
ご相談のはじまりに伺ったご希望は、
漆の蒔絵で「雪花」を表現し、
月のかたちをしたバッグと合わせて、
全体で『雪月花』を表現したい、というものでした。
その言葉を、
とても穏やかな声でお話しくださったことを、
今もよく覚えています。
形、生地、口金、蒔絵。
どれか一つを急いで決めるのではなく、
一つ決まるたびに立ち止まり、
言葉を交わしながら進めていきました。
「こちらはどう思われますか」
「少し違う気がしますね」
「これは、しっくりきます」
そんな会話を重ねる時間そのものが、
すでにこのバッグの一部だったように思います。
気がつけば、
完成までに一年の時間が流れていました。
長いようで、
振り返るとあっという間で、
でも確かに、
一つひとつを積み重ねてきた時間でした。
完成した姿を前にすると、
それは「オーダー品」という言葉以上に、
一緒に時間を重ねてきた記憶そのもののようで、
静かな重みを感じます。
そして、今日はそのバッグを
迎えにいらっしゃる日。
扉を開けた瞬間の、
少しだけ高鳴る空気と、
言葉少なく、静かな笑顔。
「やっと会えましたね」
そんな言葉はありませんでしたが、
その表情だけで、十分でした。
長く待ってくださった時間ごと、
迷いながら選んでくださった過程ごと、
そっと受け取っていただいたように感じます。
お着物をお召しの、
とても素敵なマダムのもとへ。
手放すというより、
役目を終えて送り出す。
作り手として、
そんな気持ちで
お見送りしました。
~京薫る パリの彩り~
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L'odeur de Kyoto ロデール・ドゥ・キョウト
