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ここから、はじまる。2026.1.25(日曜日)

ここから、はじまる。

バッグづくりの最初の工程は、
完成形とはまったく違う、
とても静かな時間から始まります。

一本の竹。
まだ何の形にもなっていない素材。

節の位置、太さ、年輪。
同じように見えても、
一本ずつ性質は異なります。

どの部分を使うのか。
どこを削り、どこを残すのか。

この最初の選択で、
その先のバッグの表情が、
ほとんど決まってしまうように感じることもあります。

派手な工程ではありません。
写真に写っても、完成品の華やかさはありません。

けれど、
この「はじまり」の時間がなければ、
その先に進むことはできません。

私のバッグは、

竹・竹根
生地

口金

この四つの素材から生まれています。

どれかひとつが欠けても、
完成には辿り着きません。

そしてそれぞれが、
それぞれの場所で、
それぞれの時間を生きてきた素材です。

竹は、長い年月をかけて育ち、
自然の中で乾き、
ようやく使える状態になります。

生地は、
遠く離れた土地で織られ、
選ばれ、
ここへやってきます。

糸も、口金も、
それぞれに役割があり、
それぞれに理由があります。

バッグは、
突然完成するものではありません。

いくつもの「はじまり」を重ねて、
ようやく一つの形になります。

満ちる途中の月のように、
使う人の時間の中で、
少しずつ完成していく形でありたい。

そんな思いを、
この工程ひとつひとつに込めています。

完成したバッグだけを見ると、
そこに至る時間は、
なかなか伝わらないかもしれません。

けれど、
実際に手に取ったとき、
ふと感じる重みや、
持ったときの収まり、
鏡に映ったときの静かな存在感。

その奥に、
この「はじまりの時間」が
そっと残っていたら嬉しいと思っています。

これから、
バッグが形になるまでの工程を、
少しずつ書き残していこうと思います。

華やかではないけれど、
欠かすことのできない時間。

ここから、
また新しい物語が始まります。


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京都の技巧(わざ)とフランスのエスプリの融合…
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